6人は目を覚ました。
「あれ、なんでこんなところに・・・?」
誰かが呟いた声が聞こえた。
「ひっひっひ。
ようやく目を覚ましたようじゃのう。
これから皆のものにはとあるゲームをしてもらうのじゃ。」
部屋のどこからか、しわがれた老人のような声がした。
どうやら食堂のような場所に寝かされていたらしい。
他の5人も自分と同じように困惑しているあたり、誰も状況を掴めていないようだ。
「ゲームをするにあたって、少し皆の記憶をいじらせてもらった。
じゃないと面白くならないからのう。
さて、皆のものにはこの屋敷の中にてとある鍵を探してもらう。
その鍵を見つけたものだけ、屋敷から脱出することを許可しよう。」
確かに、言われた通り自分の名前や職業など、最低限の記憶しか残っていないらしい。
「お前は誰だ?
何が目的でわしらを拉致した!?
今すぐここからだせい!」
肩幅の広い、中年の男性が謎の声に向かって喚いている。
「ひっひっひ。
そう慌てなさんなって。
何もここから出さないとは言ってないじゃろう?
この屋敷の中にある鍵を見つけた人物は記憶もちゃんと戻してこの屋敷から無事に帰すことを約束しよう。
しかし、それだと見つけられなかった人が可哀想じゃから、1つルールを設けようではないか。
3時間後の15時に再びこの食堂に集合し、話し合いを行ってもらう。
その時に1人、鍵を持っていると思われる人間を多数決で決めるのじゃ。
無事、鍵を持った人間が最多得票を獲得すれば、逆に、鍵を持っていない人間全員を無事に帰すこととしよう。
あぁそれと、誰も鍵を見つけられなかった場合は全員脱出できんからのう。
まずはそれぞれ鍵を探すことから始めることじゃな。
それでは、諸君の健闘を祈るぞ。」
そう言うと、謎の声は沈黙した。
時計を見るとちょうど12時を回ったところのようだ。
「とりあえず、この屋敷を手分けして探索しましょうか。今はあの声の指示に従って様子を見た方がいいと思うわ。持ち物は全て取り上げられてるけど、何か乱暴された形跡もないしね。」
何故か胸の谷間を確認しながら、綺麗な女性がそう言うと、
「それがしも一旦賛成するでござる。
刀を取り上げられたのが少し不安でござるが。。」
と袴を着た和風の男も賛同した。
「チッ、仕方あるまい。
ここから出たら真犯人を必ずとっちめてやる。」
刑事かなにかだろうか?中年の男性も渋々納得したところで、13時に一旦また食堂に集まることを約束して、各々がこの屋敷を捜索することとなった。
共通ミッション
・鍵を見つけ出すこと。
・鍵を入手した者は最多得票者にならないこと。
・鍵を手に入れなかった者は鍵持ちを最多得票者にすること。